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ファンヒータを修理する
  変質灯油で死亡編



・ファンヒータが落ちている!!
    某月某日、悪友?Yとドライブを楽しんでいたところ、ゴミ捨て場にファンヒータらしいものが捨ててあった。
    ブレーキ!バックして確認してみると、ファンヒータ1台と、似たような機械がもう1台落ちていた。
    真昼間、白昼堂々の犯行を企てたが、車の通りが多かったので(恥ずかしいこともあり)、再び夜間に車を出した。
    目的のゴミ捨て場に到着。急いで獲物を捕獲したところ、三菱のファンヒータ(6畳用)と、東芝の蓄熱セラミックヒータだった。
    そういえばこのゴミ捨て場では以前、セガサターン(白)の箱入り説明書付きと、パナソニックのコンポ一式拾ったゴミ捨て場だ。
    私たち親子の間では、ここを「ゴージャスゴミ捨て場」と呼んでいる (笑)
    早速家に帰って動作テストをしたところ、蓄熱ヒータは電源ボタンが陥没しており、停電復帰エラーが表示されていた。
    これは、簡単に修理が出来てしまったので、ここでは紹介しません。
    三菱のファンヒータは、以前日記に書いた、従業員さんのヒータと同じもの。(94年製)
    これも不動品であったが、原因は変質灯油による着火不良だった。
    こりゃマンネリ化したページのネタにいいと判断。
    素人の私でも出来る、ファンヒータの修理。
    早速、いってみましょう!

    注意:ここから先、私を真似て修理をして、万一、事故があった場合には責任は負いません。
    中毒や火災などの危険が伴いますので、くれぐれも気をつけてください。というより、真似しないほうがいいです。
    (まあ、炎が変だったらマイコンが止めてくれるから大丈夫だと思うけど。)
 


・全景

本体は割とコンパクト。灯油タンクもコンパクト
これじゃ、頻繁に給油しなきゃいけないじゃん。
(左側:今回のターゲット。  右側:一緒に拾ったやつ)


・現状は?

変質灯油の独特なニオイ(酸っぱいニオイだよ)が鼻につきます。

電源を入れて様子を伺います。
    1.電源ON−インジケータが点灯し、室温と設定温度がでます。
    2.イグナイタが放電する−ジーーーという音のあと、ファンが回るが点火しない。
    3.点火動作繰り返し−変質灯油たっぷりなのに、ちっとも臭くない。
    4.エラー表示−点火できないので、F2が出て着火不良をユーザに伝えます。
    5.クイック予熱ボタンを押しておく−リレー音がして、内部が暖まっているようです。

温度ヒューズ問題なし。
サーミスタ問題なし。(室温、気化器)
ヒータ問題なし。
イグナイタ問題なし。
ファン問題なし。
送油ポンプが詰まっている?
油面センサ問題なし。

一連の動作で、これだけのことがわかります。
 


・フロントパネルを外す

両サイドのネジ2本で止まっています。


・基板のコネクタ類を外す

上下分離させるので、配線が邪魔になります。
(この配線の取り回しを修理完了時に復元します)


バキバキっと外しちゃいましょう!
 


・上半身のネジをはずし、シャーシを分離する

シャーシを分離するにあたって、ドライバーの先のツメを解放してあげてください。
ラジオペンチで曲げるだけです。


裏側のネジ2本も外します。


・分離できました

これで上半身と下半身が分かれました
鉄板が薄く、フニョフニョしているので、あんまり触らないほうがいいです。触らぬ神に祟りなし
なお、上半身には大量のホコリが溜まっていたので、エアーで吹き飛ばしておきました。


・送油パイプを外す

小型のモンキーかペンチで回すと外れます。


外れたー。
この機種には、油戻しの配管があるので、それも抜いておきます。


これで、更に分離できました。
(手前左:バーナ  右:油受け皿とペンチ  奥:燃焼塔と基板)



 

・送油ポンプを外す

油受皿をはずし、送油ポンプを外します。ネジを外してクルッ!と回し、引き抜くだけ。


ポンプにはパッキンも付いているので、戻すときは忘れずに!


目の細かいフィルタがついていますので、良質な灯油で洗っておきます。
このフィルタが詰まっていると、送油不安定になり、換気消火の原因になったりします。(最近はシビアだよ〜!)
三菱製のファンヒータは、特にこのフィルタ目詰まりが多いと思います。

役に立たないフィルタ。上の切り口が油面よりも低いので、隙間からゴミを吸い込んでしまいます。
↓改良部品は油面より上になるように背が高くなっていました。



・役に立たない水受け

これは、ほとんど役に立たない水受け皿です。
フィルタが簡単な作りなので、よほど大きなゴミじゃない限り、隙間から通過してしまいます
ラインバーナーじゃないので、ゴミ対策はあまり考えてないんでしょうかねぇ。
でも、この構造じゃ、ユーザがゴミ詰まりの時にフィルタ掃除なんて出来ないじゃん。
サービスを呼ぶか、買い換えろってことなんですかねぇ。
ウチでは、送油ポンプのフィルタがゴミ詰まりを起こし、マトモに動かなくなってしまいます。(三菱の、ナントカいうヒータ)
ドラム缶給油をしているので、ホコリとかサビが入るんでしょう。
でも、シャープぐらいの鉄壁ガードだったら、そこまで詰まることはないでしょう。ハッキリ言って、いただけません。
 


・油受け皿を掃除する

変質灯油のたっぷり入った油受皿の中身の灯油を捨てます。(環境破壊注意)
私は、買い物袋の中にトイレットペーパーを入れて、そこに廃油を捨てます。
蛇足ですが、カー用品店では廃油処理パック(2リットル用)が300円程度で売ってます。


最後に、底に溜まっているサビやゴミを取り除きます。


うわぁ・・・。
変質灯油が、受け皿のコーティングまでも侵しています。
イボガエルの肌みたい・・・ (ウェーッ!
 


給油フィルタも掃除します。ブラシでこすり、不純物を掻き落とすと・・・


こんなに綺麗になっちゃった!!!
ちなみに、部品で買うと100円ぐらいです。
本来なら、送油ポンプのフィルタとあわせて、新品交換が望ましいです。
 


・炎検知ロッドと点火プラグを外す

写真の部品の下に、太い線(イグナイタ)と細い線(炎検知)がそれぞれ出ています。
これを引き抜き、ネジ止めされている2本のロッドを取り外してください。


U字に曲がっているのが、炎検知ロッドです。これに炎が当たると、微弱電流が流れます。
マイコンは、これを検知して炎の状態を監視しています。
酸欠になると、炎が不安定になるので、同時に炎電流も不安定になります。
プログラムされた値を超えたら、「換気」の警報を出したり、自動消火したりします。
写真は、炎電流測定の様子。アナログテスタじゃないと、よく分からないぞ!(レンジは10μA)
 
 


・炎検知ロッドと点火プラグを磨く

ワイヤーブラシでジョリジョリと磨き、酸化物を落とします。
酸化物が原因で、換気ランプが頻繁に点灯したり、運転開始時に失火したりする原因にもなります。
 


・バーナーを掃除する

これがバーナーです。(写真がわかりにくいのはご愛嬌。右が取り付け状態では下になり、左からを噴きます)
ここの状態を見ることで、燃焼状態がわかります。自動車で言う、プラグのヤケ具合と同じようなもんですね。
気化器とは、熱したフライパンの上に灯油を落とし、気化した灯油に火をつける。という動作の、フライパンに値するところです。
電源入れ始めに時間がかかるのは、ここを熱しているから。
ちなみに、クイック予熱という機能が付いていますけど、これはかなり電気代のムダですねぇ。
 

上の写真、右側の端にある電磁弁(ソレノイド)に通電すると通常運転、通電をやめると消火するようになっています。
ニードルが上下して、噴射ノズルの開閉を行っているんですね。
燃料が多かったら、オーバーフローで燃料をタンクに戻すようになっています。

メンテナンスのために抜きましょう。引っ張ると抜けます。


これが引き抜いた電磁弁。運転開始や終了時に「ガン!」という音をだすヤツです。(上下に動く)
先にはニードルが付いていて、噴射ノズルの穴を開いたり塞いだりします。
ニードルの形状は、ボールペンかシャーペンの先に似てます。


これが噴射ノズルです。ここから霧状になった灯油が噴射され、火になります。
けっこーススが付着しており、目詰まりを起こしていました。
目詰まり解消に、エアーを送っておきました。
 
 


・元に戻す

変質灯油の場合は、油抜き(機種によってはポンプで吸い上げる機能がついている)と、各部掃除をするだけで治ってしまうので、上半身を取り付けて動作チェックをします。
配線を元の姿に戻して(必ず、元の配線の取りまわしにすること!)燃焼塔キチンとはまっていることを確認します。
燃焼塔がキチンとはまっていなかったり、石綿が剥がれていたりすると、ヒータ内部に熱気が漏れ、本体全体が熱くなります。
再度確認をして、スイッチを入れてみます。
修理後は、送油管にエアーが入っているので炎状態が安定しません。(数秒で安定しますが)
グリルから炎が噴出すことがあるので、可燃性のものは置いておかないほうがいいです。
無事点火できるようになったら、元の姿に戻して終わり。
お疲れ様でした。
 


イイ感じでえてます。
赤火にもならず、本当に良い状態です。ニオイも無いですね。


操作もできるし、あとは外装を掃除して完了ですね!
 
 
 
 


・あれ?

困ったぞ!!
部品が余ってしまった!!


わかった。電磁弁おさえ板だ〜!
クルクルッと付けて。。。
 


完成!!
きちんと点火するようになりました。
消火時のニオイも少なく、優秀です。
っと大きな出力のヒータが欲しかったなー。 (ボソッ

第1弾、ファンヒータの修理
これで終わりです。
ゴミ処理場でスクラップになるところを、偶然通りがかった私に拾われ、元気に動くようになった2台のヒータたち。
これで、またひとつ、地球にいいことしたなー♪
限りある資源。ジャンクは最後まで楽しく使いましょう!(どっかで聞いたフレーズだぞ)

であ。
 

(出鱈目書いてるかも知れないので、出鱈目に気づいた優しい方は、掲示板なんかで声をかけてください。お願いします)



 

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