ファンヒータを修理する
変質灯油で死亡編
注意:ここから先、私を真似て修理をして、万一、事故があった場合には責任は負いません。
中毒や火災などの危険が伴いますので、くれぐれも気をつけてください。というより、真似しないほうがいいです。
(まあ、炎が変だったらマイコンが止めてくれるから大丈夫だと思うけど。)
・全景
本体は割とコンパクト。灯油タンクもコンパクト。
これじゃ、頻繁に給油しなきゃいけないじゃん。
(左側:今回のターゲット。 右側:一緒に拾ったやつ)
・現状は?
変質灯油の独特なニオイ(酸っぱいニオイだよ)が鼻につきます。
電源を入れて様子を伺います。
1.電源ON−インジケータが点灯し、室温と設定温度がでます。
2.イグナイタが放電する−ジーーーという音のあと、ファンが回るが点火しない。
3.点火動作繰り返し−変質灯油たっぷりなのに、ちっとも臭くない。
4.エラー表示−点火できないので、F2が出て着火不良をユーザに伝えます。
5.クイック予熱ボタンを押しておく−リレー音がして、内部が暖まっているようです。
温度ヒューズ問題なし。
サーミスタ問題なし。(室温、気化器)
ヒータ問題なし。
イグナイタ問題なし。
ファン問題なし。
送油ポンプが詰まっている?
油面センサ問題なし。
一連の動作で、これだけのことがわかります。
・フロントパネルを外す
両サイドのネジ2本で止まっています。
・基板のコネクタ類を外す
上下分離させるので、配線が邪魔になります。
(この配線の取り回しを修理完了時に復元します)
バキバキっと外しちゃいましょう!
・上半身のネジをはずし、シャーシを分離する
シャーシを分離するにあたって、ドライバーの先のツメを解放してあげてください。
ラジオペンチで曲げるだけです。
裏側のネジ2本も外します。
・分離できました
これで上半身と下半身が分かれました。
鉄板が薄く、フニョフニョしているので、あんまり触らないほうがいいです。触らぬ神に祟りなし!
なお、上半身には大量のホコリが溜まっていたので、エアーで吹き飛ばしておきました。
・送油パイプを外す
小型のモンキーかペンチで回すと外れます。
外れたー。
この機種には、油戻しの配管があるので、それも抜いておきます。
これで、更に分離できました。
(手前左:バーナ 右:油受け皿とペンチ 奥:燃焼塔と基板)
・送油ポンプを外す
油受皿をはずし、送油ポンプを外します。ネジを外してクルッ!と回し、引き抜くだけ。
ポンプにはパッキンも付いているので、戻すときは忘れずに!
目の細かいフィルタがついていますので、良質な灯油で洗っておきます。
このフィルタが詰まっていると、送油不安定になり、換気消火の原因になったりします。(最近はシビアだよ〜!)
三菱製のファンヒータは、特にこのフィルタ目詰まりが多いと思います。
↓役に立たないフィルタ。上の切り口が油面よりも低いので、隙間からゴミを吸い込んでしまいます。
↓改良部品は油面より上になるように背が高くなっていました。
・油受け皿を掃除する
変質灯油のたっぷり入った油受皿の中身の灯油を捨てます。(環境破壊注意)
私は、買い物袋の中にトイレットペーパーを入れて、そこに廃油を捨てます。
蛇足ですが、カー用品店では廃油処理パック(2リットル用)が300円程度で売ってます。
最後に、底に溜まっているサビやゴミを取り除きます。
うわぁ・・・。
変質灯油が、受け皿のコーティングまでも侵しています。
イボガエルの肌みたい・・・ (ウェーッ!
給油フィルタも掃除します。ブラシでこすり、不純物を掻き落とすと・・・
こんなに綺麗になっちゃった!!!
ちなみに、部品で買うと100円ぐらいです。
本来なら、送油ポンプのフィルタとあわせて、新品交換が望ましいです。
・炎検知ロッドと点火プラグを外す
写真の部品の下に、太い線(イグナイタ)と細い線(炎検知)がそれぞれ出ています。
これを引き抜き、ネジ止めされている2本のロッドを取り外してください。
U字に曲がっているのが、炎検知ロッドです。これに炎が当たると、微弱電流が流れます。
マイコンは、これを検知して炎の状態を監視しています。
酸欠になると、炎が不安定になるので、同時に炎電流も不安定になります。
プログラムされた値を超えたら、「換気」の警報を出したり、自動消火したりします。
写真は、炎電流測定の様子。アナログテスタじゃないと、よく分からないぞ!(レンジは10μA)
・炎検知ロッドと点火プラグを磨く
ワイヤーブラシでジョリジョリと磨き、酸化物を落とします。
酸化物が原因で、換気ランプが頻繁に点灯したり、運転開始時に失火したりする原因にもなります。
・バーナーを掃除する
これがバーナーです。(写真がわかりにくいのはご愛嬌。右が取り付け状態では下になり、左から火を噴きます)
ここの状態を見ることで、燃焼状態がわかります。自動車で言う、プラグのヤケ具合と同じようなもんですね。
気化器とは、熱したフライパンの上に灯油を落とし、気化した灯油に火をつける。という動作の、フライパンに値するところです。
電源入れ始めに時間がかかるのは、ここを熱しているから。
ちなみに、クイック予熱という機能が付いていますけど、これはかなり電気代のムダですねぇ。
上の写真、右側の端にある電磁弁(ソレノイド)に通電すると通常運転、通電をやめると消火するようになっています。
ニードルが上下して、噴射ノズルの開閉を行っているんですね。
燃料が多かったら、オーバーフローで燃料をタンクに戻すようになっています。
メンテナンスのために抜きましょう。引っ張ると抜けます。
これが引き抜いた電磁弁。運転開始や終了時に「ガン!」という音をだすヤツです。(上下に動く)
先にはニードルが付いていて、噴射ノズルの穴を開いたり塞いだりします。
ニードルの形状は、ボールペンかシャーペンの先に似てます。
これが噴射ノズルです。ここから霧状になった灯油が噴射され、火になります。
けっこーススが付着しており、目詰まりを起こしていました。
目詰まり解消に、エアーを送っておきました。
・元に戻す
変質灯油の場合は、油抜き(機種によってはポンプで吸い上げる機能がついている)と、各部掃除をするだけで治ってしまうので、上半身を取り付けて動作チェックをします。
配線を元の姿に戻して(必ず、元の配線の取りまわしにすること!)、燃焼塔がキチンとはまっていることを確認します。
燃焼塔がキチンとはまっていなかったり、石綿が剥がれていたりすると、ヒータ内部に熱気が漏れ、本体全体が熱くなります。
再度確認をして、スイッチを入れてみます。
修理後は、送油管にエアーが入っているので炎状態が安定しません。(数秒で安定しますが)
グリルから炎が噴出すことがあるので、可燃性のものは置いておかないほうがいいです。
無事点火できるようになったら、元の姿に戻して終わり。
お疲れ様でした。
イイ感じで燃えてます。
赤火にもならず、本当に良い状態です。ニオイも無いですね。
操作もできるし、あとは外装を掃除して完了ですね!
・あれ?
困ったぞ!!
部品が余ってしまった!!
わかった。電磁弁のおさえ板だ〜!
クルクルッと付けて。。。
完成!!
きちんと点火するようになりました。
消火時のニオイも少なく、優秀です。
もっと大きな出力のヒータが欲しかったなー。 (ボソッ
第1弾、ファンヒータの修理。
これで終わりです。
ゴミ処理場でスクラップになるところを、偶然通りがかった私に拾われ、元気に動くようになった2台のヒータたち。
これで、またひとつ、地球にいいことしたなー♪
限りある資源。ジャンクは最後まで楽しく使いましょう!(どっかで聞いたフレーズだぞ)
であ。
(出鱈目書いてるかも知れないので、出鱈目に気づいた優しい方は、掲示板なんかで声をかけてください。お願いします)
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